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消化器がんについて

日本における死亡数は130万人台ですが、その死因の第1位は悪性新生物(いわゆるがんなど)で、約37万人にのぼります。これは第2位の心疾患 20万人と比べて圧倒的に多いことがわかります。悪性新生物は昭和56年以降、変わらず死因第1位であり、いまだに上昇の一途をたどっています。

この悪性新生物を臓器別にみてみると、胃がん4.2万人、大腸がん5.1万人、食道がん1.1万人、肝臓がん2.5万人、すい臓がん3.7万人、胆のう・胆管がん1.8万人となっており、消化器臓器のがんが計18.4万と全体の約半分を占めています。

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死亡率(人口10万人対)の年次推移 厚生労働省HPより

​消化器がんで命を落とさないために

私はこれまで10年以上、消化器がんの診療に携わってきました。特に専門である早期がんの内視鏡治療によってたくさんのがんを治療してきましたが、進行がんで発見された患者さんが亡くなっていく現場にも立ち会ってきました。患者さんががんに苦しんで命を落とすことは、本人はもちろん、ご家族や、ご友人、また診療を担当する医師にとっても非常につらいことです。

 

しかし実は、がんは早期に発見さえできれば治療はそれほど難しくなく、完治させることも可能です。自覚症状が出てから検査してもすでに進行がんであることが多く、症状のないうちから定期的な検査・検診を受けることで早期発見が可能になります。

 

消化器内科・胃腸科専門クリニックとして

あしかり内科では消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医の資格を持った医師が診療をおこなっています。これまでに培った知識と経験を活かし、最適な検査を提供します。当院で可能な検査としては、腫瘍マーカー検査(採血)、内視鏡検査(胃カメラ)、腹部超音波検査(エコー検査)などがあります。

がん検診で異常を指摘された方、血縁のご親族に消化器がんがいる方、最近おなかの調子が優れない方は、当院の消化器内科・胃腸科にぜひ一度ご相談ください。

 

胃がん

胃がんの傾向と症状

胃がんは、胃粘膜の細胞が何らかの原因でがん細胞となることで発生します。がん細胞は「大きくなること(浸潤)」と「遠くへ広がること(転移)」で進展し、徐々に体をむしばんでいきます。胃がんは必ず胃の内側の粘膜から発生します。サイズが大きくなるとともに、より深くまで浸潤し、胃の外側へと進展します。がんの深達度が深くなるほど、リンパ節や他の臓器へ転移する確率が高くなります。浸潤と転移の程度によって胃がんの進行度(ステージ)が決定します。

ステージI期で発見されれば、5年相対生存率(5年後に胃がんで死亡した患者数を計算した生存率)は96%ですが、IV期ではわずかに6.3%です。つまり早期に発見することが非常に重要です。

胃がんの代表的な症状は、心窩部(みぞおち)の痛み、違和感、不快感、食欲不振、胸やけ、腹部膨満感、嘔気(吐き気)、体重減少、吐血、黒色便などがあります。胃がんは出血しやすいため、検診などの採血で貧血を指摘され偶発的に発見されることもあります。ただしこのような自覚症状が出現するのは、胃がんがかなり進行してからになります。このような症状があれば検診を待たずに速やかに医療機関を受診しましょう。

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​胃がんの早期発見に内視鏡検査は特に有効です

我が国では、毎年13万人の方が新たに胃がんと診断されます。男性に多く、40歳代後半から増加し、80歳代でピークとなります。男性が生涯で胃がんに罹患するリスクは10.7%で、9人に1人が胃がんに罹患することになります。女性の胃がん罹患率は減少傾向です。

 

原因(リスクファクター)として、ヘリコバクターピロリ菌の感染、高塩分食、喫煙、肥満などが報告されています。特にヘリコバクターピロリ菌は長年かけて胃の慢性的な炎症を起こし、やがて胃がんを発症する原因となります。ピロリ菌については次の項で詳しく解説します。

 

​胃がんの治療

胃がんの治療には、内視鏡治療、外科治療、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療などがあります。がんのステージによって適切な治療法を選択します。当院は横浜市立大学附属病院、横浜市立大学附属市民総合医療センター、神奈川県立がんセンター、横浜南部病院など胃がんの診療実績が豊富な病院と連携しておりますので、速やかにご紹介いたします。

 

みぞおちの痛みや不快感がある方、貧血が指摘された方、検診で胃の異常を指摘された方、吐血・黒色便を認めた方、血縁関係に胃がんがいる方、ピロリ菌の検査を受けたい方など、ぜひあしかり内科にご相談ください。

私はこれまで早期胃癌に対する内視鏡治療を1000件以上行ってまいりました。そこで得られたノウハウを最大限に活かし、早期発見、早期治療にお役に立ちたいと考えています。

 

ピロリ菌感染症

 

ヘリコバクターピロリ菌は、わずか4/1000㎜の小さな菌で、乳児期にヒトに感染すると言われています。かつては上下水道の完備されていない地域で井戸水などを飲むことで感染が広がっていましたが、現代の日本では親から子への口移しなどによる家庭内感染が主な経路だとされています。

 

ピロリ菌は胃がんの原因となることは説明しましたが、それ以外にも、MALTリンパ腫という悪性リンパ腫や、特発性血小板減少性紫斑病という出血しやすくなる血液疾患、胃・十二指腸潰瘍などの原因となります。ヘリコバクターピロリ菌はお薬で除菌することができ、胃がんのリスクを約3分の1に低下させることができます。ピロリ菌感染が確認された患者さんには除菌療法が推奨され、保険診療で除菌ができます(除菌成功率は9割以上です)。

ピロリ菌感染の検査方法は幾つかあり、採血、上部消化管造影検査(バリウム検査)、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)などがありますが、除菌治療を保険診療で行うには内視鏡検査が必須であるため、あしかり内科では内視鏡検査(胃カメラ)を推奨しております。

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大腸がん

 

日本で増加している大腸がん

大腸がんは、大腸粘膜の表層から発生するがんです。良性の大腸ポリープががん化するものや、正常な粘膜から突然発生するがんがあると言われています。胃がんと同じように浸潤と転移によって広がっていきます。

 

いま日本では大腸がんの増加が問題となっています。2020年の臓器別がん統計予測では、大腸がんは罹患数1位(15万8500人)、死亡数2位(5万4000人)で、欧米諸国と比べて罹患率が高いという現状です。

5年相対生存率は、0期97%、I期94%と良好ですが、IV期では18.8%と低下します。やはり早期に発見することが重要です。男性の10人に1人、女性の12人に1人が生涯で大腸がんに罹患します。30歳代から増加し、80歳代でピークとなります。

 

大腸がんにならないために

大腸がんの危険因子は、「50歳以上」、「大腸がんの家族歴」、「肥満」、「赤肉や加工肉」、「飲酒」、「喫煙」です。抑制因子としては、「適度な運動」、「食物繊維」などが挙げられます。

生活習慣によってある程度のリスクを下げることはできますが、最も大腸がん抑制に効果を発揮するのが大腸内視鏡検査(大腸カメラ)です。内視鏡で大腸ポリープを定期的に切除し、クリーンコロン(大腸内にポリープが存在しない状態)にしておくことで、その後の大腸がん死リスクは大幅に下がるのです。

 

大腸がんも早期の段階では自覚症状がほとんどありません。進行すると、血便、便通異常(便が細くなる、下痢や便秘症状を繰り返すなど)、腹痛、残便感、おなかの張り、貧血、食欲不振、体重減少などが出現します。血便があっても痔だと思い込んで発見が遅れる、便秘や下痢があっても大腸がんとは思わなかった、など意外に大腸がんのサインは見逃されることが多いです。放置すると腸閉塞となり非常に危険ですので、これらの症状がみられたときはすぐに医療機関を受診しましょう。

 

​手軽にできる大腸がん検査も

気になる症状がある方は、まず便潜血検査を受けましょう。便潜血とは、糞便に含まれるわずかな血液を検出できる検査です。排便後に少量の便を採取するだけで検査ができます。

便潜血検査で陽性(血液が含まれている)となった方は、精密検査として下部消化管内視鏡検査(大腸内視鏡・大腸カメラ)が推奨されます。大腸内視鏡は「痛い」、「苦しい」といったイメージを持った方が多く、敬遠されがちですが、鎮静剤を用いて適切な方法で検査を行えば、ほとんどの方で無痛のうちに検査ができます。

40歳になったら大腸がん検診を受けましょう。ほとんどの市区町村で公費負担がありますので、一部の自己負担のみで受けることができます。あしかり内科では、横浜市大腸がん検診も受け付けておりますので、気になる方はぜひ受診をご検討ください。